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―何を間違ったんだろう…?
君の姿をした人形が目の前にいるだけで、本当の君はいない…。
「…。」
夏海は何も言わず、ただ静かに俺を見つめた。まるで、人形みたいだった…。
「どうして…?」
俺はそう呟いて、泣いていた。親友を殺して、夏海がもどってくると信じていたのに…。俺の目の前にいるのはただ夏海の姿をした人形だ。
「どうしたの?せっかく大切な人がもどって来たのに…。」
いつの間に来たのか、少女は俺の隣りでそう言いながら、微笑んだ。
「夏海じゃない…っ!夏海を返せっ!約束が…っ」
「守ったじゃない?ちゃんと夏海っていう人間は蘇ったでしょ?」
少女はそう言って、夏海を見た。確かに外見は夏海だ。けど…、夏海という魂は存在してない…。
少女はそんな俺の考えに気付いたのか、静かに微笑んで俺の耳元で囁いた。
「貴方が願ったのよ?夏海を蘇らしたいって。だから、私は蘇らしたじゃない?夏海って人間を…。望まなかったのは、貴方よ…?」
少女は妖艶に微笑んでいた。その時、俺はやっと理解した…。
俺はこの悪魔に踊らされていたという事実に…。
「うわぁぁぁっっっ!!」
「あはは、愚かな人間。なんて愚かで可哀相な人間…。」
もう何も聞こえなかった。俺はもう壊れてしまった…。そんな俺を見て、夏海が静かに微笑んだような気がした…。
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