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―君がもう一度笑ってくれるなら、俺は何でもしよう。たとえそれが自分の手を血で染める事でも…。君とまた暮らせるなら、もう何もいらないから。だから、俺はあいつを殺した…。
少女は俺に親友の命を求めた。それが、俺を壊していく音の始まり…。
「彼女を生き返らせるために、貴方の親友を殺して?」
「親友を…?」
「そう…。貴方には簡単でしょう?だって、貴方には彼女より大切な人なんていないでしょう?」
少女は静かに微笑みながらそう言った。確かに、俺にとって夏海が一番大切だった。でも、親友も大切だった…。
「それ以外はないのか?」
「ないよ。どうする?早くしないと貴方の大切な彼女が戻れなくなるよ?貴方が親友を殺せば、大切な彼女が貴方の所に帰ってくるわ。でも、親友を殺さないと貴方は永遠という時間を1人で生きるのよ?決めるのは貴方よ…。」
少女の姿をした悪魔は微笑んだ。
この時、すべて壊れてしまった…。俺は許されない罪を背負った。親友殺しという罪を…。
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