“旅立ちは突然に……”

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「……なぁフィリー、ちと聞いてほしい話しがあるんだが?」 「ん、なに?」 「実はな……」  フィレイスが優しく微笑んでいると、アルヴィスは真剣な表情で、毎晩繰り返して見るあの夢のことを話し始めた。 「……ていう妙な夢を毎晩見るんだ」 「……」  ただの夢なのにな、とアルヴィスがら付け足しながら笑っていると、それまで微笑んでいたフィレイスの表情が変わった。 「私も……」 「ん?」  小さな声で呟く双子の姉に、アルヴィスが、どうかしたか、と問い掛けた。するとフィレイスが、真剣な表情で答える。 「アル。実は私も、全く同じ夢を見たわ」 「なんだって……!?」  フィレイスの言葉に、アルヴィスは驚愕した。同じ夢を彼女も同じ時期から見るようになったのだという。もはや、ただの夢、と結論付けるわけにはいかなくなっていた。 「きっと、何かのお告げなのかもしれないわね?」  フィレイスが真剣な表情でアルヴィスに問い掛ける。 「そのようだな。とりあえず、母さんに知らせようぜ? 何かしろのアドバイスくらいはくれるだろう?」  アルヴィスが立ち上がるとフィレイスが、そうね、と頷き二人は部屋を辞した。
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