11人が本棚に入れています
本棚に追加
/572ページ
ミカエル達が足早にアルヴィス達の元に駆け付けると、フィレイスが、円を作って隣にいる人と手を繋いでちょうだい、と指示をする。
「あ、はい」
「わかった」
「……」
意味もわからないまま、ミカエル達は円陣を作り隣に立つ者と手を握る。一同の後ろに立つパトロクロスが、旅に出る一行に向かって激励の言葉をかける。
「辛く果てしない旅路になると思いますが、どうかお気をつけて。もし何か迷ったりしたらいつでもいらして下さい。何かの助言くらいはできると思います」
「パトロクロス様。本当にありがとうございました」
「お世話になりました、パトロクロス様」
「バイバ~イ、パトロ」
「こ、こらエリエル!!」
「あはは、気にしないでください。むしろボクは、エリエルさんくらいの砕けた話し方の方が好きですから」
――“パトロ”って初めて呼ばれたけど……なんか嬉しいな。
一同が頭を下げ、別れを済ませるとフィレイスは目を閉じ、集中を始めた。やがて淡い光が一同を包み込むと、円の中心に置かれた星の羅針盤から爆発したような光が放たれ、次の瞬間には一行の姿は消えていた。
残されたパトロクロスは、頭上を見上げながら彼らの無事を、心の中で祈った。
「……」
――皆さんに、煌めく星々の加護が共にあらんことを。
旅路の鐘が鳴らされ、扉は邂逅の鍵によって開かれた。彼らの旅がどのような結末を迎えるのか。
全ての世界の運命は、終焉の闇を払う運命にある彼らの手によって託された……。
終焉の闇~邂逅~END……
挿絵(作画)提供~琴まさみさん
挿絵(着色)~作者![image=445181317.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/445181317.jpg?width=800&format=jpg)
![image=445181317.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/445181317.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!