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無限に広がる草原に生える草花を、優しい風が撫でるようにして駆け抜ける。すると突然、草原の真ん中に一筋の雷が落ちた。
落雷が地面に直撃する寸前で丸い光へと形を変えると、その光の中から手を繋ぎながら円を作る六人に人影が現われた。次第に光は消え、六人の姿が露(アラワ)になる。
そこにいたのは、パトロクロスが居た世界から星の羅針盤の導きに従って瞬間移動して来た六人の七天星達だった。
「ふぅ……上手くいったみたいね。さすがは星の羅針盤ね。座標を示すだけじゃなく、転移自体の手助けもしてくれるなんて。これなら消費する力も半分で済むわ」
「だが乱用するような真似はすんなよ? 半分で済む分、楽になるかもしれないが……」
「大丈夫よ。その辺はきちんとシビアにやってるから」
ミカエル達をそっちのけで会話をするアルヴィスとフィレイスの二人だが、彼らは必ず転移を終えた後、会話をしながら気配の探知を始める。
二人が平然と会話をしているということは、周りに人や危険な生き物の気配が無いという事を意味している。
「ホントに、私達が住む世界と違う所に転移したのだろうか?」![image=445176077.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/445176077.jpg?width=800&format=jpg)
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