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アルヴィスは駆け出しながら背後を見やると、視線の先には四匹の魔者達が後を追い掛ける。
「……」
――いい子だ。そのまま着いて来い。
するとアルヴィスは駆け出した速度を跳躍する際に必要な“バネ”として利用し宙高く舞った。天高く舞いながら、逆さまになった瞬間、魔者達は一斉に跳躍しアルヴィスの顔面目掛け、大きな口を開けた。絶体絶命の危機であるはずだが、この瞬間こそ彼が作り出した好機であった。
1、2、3、4、と心の中で数を数え、彼は体を捻り回転しながら素早く引き金を引く。やがて放たれた四発の銃弾は、魔者達の額のど真ん中へ寸分の狂いも無く、まるで吸い寄せられるかのように撃ち込まれていった。
「……」
銃弾を撃ち込まれた魔者達は、力無く次々と地面へと落下していく中、アルヴィスは体制を元に戻し足音を立てる事なく着地する。
この間、僅か数秒程度の出来事である。
「……」
“瞬きをする暇も与えない”ような出来事に、ミカエル達は驚愕すると同時に恐怖を覚えた。
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