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この男は敵に回してはいけない、そう認識したミカエルとラファエルであったが、ウリエルは無関心丸出しのやる気のない表情を浮かべ、エリエルに至ってはアルヴィスを尊敬の眼差しで見やる。
それでもウリエルの態度よりはマシか、とミカエルは心の中で呟いているとアルヴィスが近付いてくる。
「どうだ、参考になったか?」
自慢げに語るわけでもなく、アルヴィスは冷静な口調で問い掛ける。獲物である白銀の銃をホルスターにしまい込むと、彼は煙草に火を点け一服し始めた。
煙草を吹かしながらも、アルヴィスはミカエル達を静かに見やりながら彼らの反応を確かめる。
ミカエルとラファエルの二人はしっかりと認識した様子で頷き、エリエルはうっとりした表情でこちらを見やり、ウリエルは無表情のままこちらを見やる。
反応は様々だが、きちんと自分の戦い方を見やっていたのは確かなようだ。
すると唐突に、エリエルが一服するアルヴィスを背後から抱きしめた。
「きゃ~! アルル~カッコイイのだ~!! スタイリ~ッシュだよ~!!」
「がぁ!! は、はな……はな、せ!!」
満面の笑顔からは想像出来ない程、凶悪とも言えるエリエルの力に、アルヴィスは本気で悶絶する。
骨が軋む厭な音が、鼓膜に伝わった瞬間、骨が砕け散る、とアルヴィスは本能的に直感した。
挿絵提供――琴まさみさん――
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