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肩を上下に激しく動かし、荒々しい呼吸を繰り返すウリエルの姿があった。顔は紅潮し、その鋭い眼差しから凄まじい殺意が宿っていた。
「無事だったのねウリエル!!」
「はぁ、はぁ、き、貴様らが俺を下敷きにする時間があと少し長かったら、間違いなく死んでたがな……!!」
「ごめんなさい!! 全っ然、気付かなかった!!」
怒り心頭のウリエルに、フィレイスは両手を合わせながら申し訳なさそうに謝罪した。
ともあれ全員無事である事が確認できただけでも良しとしましょう、というラファエルの一言に毒づきたかったウリエルだが、先程の単独戦闘で相当力を使ってしまったのか、彼はそのまま力無くうなだれた。
「……ところでよ。ここはどこだ?」
不機嫌気味な様子のアルヴィスが、ぶっきらぼうの口調で呟くと、一同が辺りを見回した。
「なんだここ……?」
「幻想的、とでも言えばいいのでしょうか?」
「……」
――疲れた……チョコでも食うか。
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