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光の魔法陣を抜けた先に着いた場所は、実に摩訶不思議で幻想的な場所だった。
空から降り注ぐ四つの滝が遥か下の湖に向かって落下していく。しかし、不思議と滝の激流音も無ければ、滝壺に叩きつけられる水の轟音も無い。天からは微かな光が降り注ぎ、一同の姿を照らし出している。
そして、その滝と滝の間にあるのは、四つの巨大な砂時計だった。砂の色も、赤、緑、青、白の四色で、赤と青の砂は従来の砂時計と同じく上から下に流れ落ちていくのに対し、緑と白の砂はその逆で下から上へと昇っていく。
「みんな、足元を見てみろ」
ミカエルの言葉に従い全員が足元へと目線を下げると地面と思っていた場所には、何も無い。
透明な硝子でも敷いているのかと、試しにアルヴィスが地面を軽く叩いてみるが、確かに何も無い。
彼らの足からは地面を踏んでいる感覚がきちんと伝わっているにもかかわらず、実際は宙を浮いている。
他の者達が錯覚に陥りそうになる中、フィレイスだけは真剣な眼差しで辺りを仕切りに伺っていた。
「……」
――時間が全く存在しない世界? 違う……私達は全てを超越した世界にいるんだわ。時間も、音も、光さえも……。
「ようこそ。やっとお会いできましたね」
「っ!!」
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