終焉の闇~邂逅~

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 数カ月前、アルヴィスとフィレイス住む世界に剱が一度だけ訪れた事があったのだ。  パトロクロスが言うには、その時に彼が対峙していた敵との凄まじい衝撃は音や光すらも凌駕し、一時的とはいえ時空を歪めてしまうほど強力な衝突で、その衝突の余波が次元の壁に巨大な亀裂を生じさせてしまう。  剱はその亀裂の中から、異世界へと飛ばされアルヴィス達の世界へと出現してしまったのだと言う……。  そしてその亀裂が入るのを予測していたかのように、綻びを生じさせていた者が次元の壁の力をほぼ無力化させてしまったのだ。その際に、太古の昔に神々達が封じたアビスの封印を解き放ったのだという。 「そんな……」  直接的ではないもののも、その一因が自分達の父親の戦いにある事に、ミカエル達は凄まじいショックを受けた。  自分達が住む世界を救う為に命や魂をも削ってまで戦った父親が、今度は同時に全ての世界を滅ぼすきっかけを与えていたのだから……。 「それじゃあ剱さんが旅に出たのは、その償いをするために?」 「本来ならば彼自身で決着をつけたいと思っているかもしれませんが、残念ながら彼の力では千年戦い続けようとアビスを滅ぼす事は不可能です。それが出来るのは、あなたたち七天星(シチテンセイ)なんです」 「七天星……?」
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