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ショックを隠しきれないミカエルに寄り添うフィレイスに対し、またしても初めて聞く言葉に、アルヴィスはあくまでも冷静に話しを聞く。
「七天星とはその名の通り、天にある七つの星を意味します。光、闇、雷、水、風、炎、爆の七つが存在し、あなたには闇が、フィレイスさんには光が、あの四人の言葉達には炎、雷、水、風の星が宿っています」
「……あと一つ足りない」
アルヴィスの言葉に天秤の担い手は頷いた。此処にいるのはパトロクロスを除く六人。足りないのは爆の星の力を宿した者だけとなる。
七天星が全て揃った時、初めてアビスと対等に戦う事が出来るというパトロクロスの言葉に、最初の目的が出来た。
「残り一人の七天星を捜し出してアビスをぶっ倒してさっさとフィリーを連れて帰る」
「随分と乱暴でアバウトな言い方ですが……まぁそんなところですね。あ、それとこれを渡しておきます」
「これは……羅針盤?」
パトロクロスから手渡されたのは美しい金の装飾が施された羅針盤だった。東西南北の位置を示す頭文字に加え、文字盤には星座を模った小さな宝石がちりばめられており、宝石商に売れば間違いなく高値が付きそうな品物であった。
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