戦いを告げる依頼人

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「草野さん、こちらにいらして下さい。 それと集合する時間と場所を話してもらってもいいですか?」 警察の人はイスから立ち上がってそう言うとコンピュータのイスを手で指し示し、草野と場所を交代した。 草野は優しそうな雰囲気を出している40代前半の中年男性に見える。草野は大上に向かって話し始めた。 「こんにちは、草野と申します。 場所は立花公園で明日の6時にしたいのですが、よろしいですか?僕は駐車場の前のベンチに座っておりますので」 立花公園は有名な所で大上も知っていた。 「分かりました。では明日の6時に集合しましょう」 「はい、よろしくお願いします…」 大上は草野の返事を聞くとコンピュータの画面を通常の状態に切り替えた。 「依頼人が直接来るのは珍しいっすね。 いつもは警察から直接依頼が来るのに」 この大上に話しているのは18歳の少年で名前は谷川良太(たにかわりょうた)だ。 良太は戸棚からパンを持って来くると袋を開けて食べた。 「良太、そのパン1週間、賞味期限がすぎてるぞ」 大上は横目で見ながら冷静に言った。 「ぶっ!ゴホ、ゴホ……そういう事は早く言って下さいよ!」 良太はパンがのどにつかえながらも言った。
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