戦いを告げる依頼人

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大上はケーキの名前の長さからケーキ職人はかなり気が細かい人なのだろうと想像した。 何事も慎重に忘れ物などしないように何度も確認したりケーキのいろんなイメージを考えては何度も考え直す優柔不断なケーキ職人の姿が浮かぶ。 「さて晩ごはんは出来たかな?」 大上は後ろを振り返りテーブルに1人分の料理が置かれている事に気づくが、美紗が2人分の料理をお盆に乗せたまま良太とケーキの事について小さな喧嘩をしている。 「2人とも仲がいいな~」 大上はコンピュータの前のイスから立ち上がると良太と美紗に話しかけた。 「仲良くないっす!」 「仲良くないです!」 「ハハハ、喧嘩する程仲が良いと昔から言うじゃないか。 細かい事は気にしないで晩ごはんを食べようじゃないか」 大上はコンピュータの前のイスから移動するとテーブルのイスに座った。 「大上さん、今度こそ良太は置いて晩ごはんにしましょう。 良太は晩ごはん、没収ね」 美紗は料理を乗せたお盆をテーブルに置くと良太の分の料理をお盆に乗せ替えてキッチンへと戻ろうとした。
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