嬉し涙

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嬉し涙

自由になりたいと 家を飛びだした 追って来る人は いない 何故か頭に来て やけくそになって 走って。 独りで疲れて。 馬鹿みたい… 苦しくて 座り込んだ。 ぽつぽつと 雨が降って来た やがて 大雨になった 心が押し潰されそうになった 泣きたくなった でも こんな事位で泣かない、と堪えた 何も見えず 這いずり回り もうダメだと 諦めようとした。 その時に 大丈夫だよ、と あなたが手を握ってくれた あたしは 泣いた。 大雨のように。 流す涙は 嬉し涙だった。
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