2009年 夏 Ⅱ

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「分かった。そこまで言うなら証拠を見せてあげる」 彼女はそう言って真っ直ぐ僕を見つめた。 僕は思わず身構える。 その時、学校のチャイムが鳴った。 下校を知らせるチャイムだった。 校舎に残っている生徒はもう帰らなければならない。 そういえば姫野はどうしたんだろう? やっぱり、僕は魔女にからかわれたのか? 「そろそろよ」 気を抜いた瞬間、彼女が口を開いた。 彼女と目が合う。 すると、彼女はゆっくり僕に近づいてきた。 彼女が履いてるハイヒールとコンクリートの地面がぶつかって起きる、コツン、コツンという高い音がだんだん大きくなる。 彼女の白い肌が鮮明になって、なまめかしい程の立派なスタイルが黄昏の夕日に照らされた。 僕は何故か動けなかった。 まるで、金縛りにあったように動けなかった。 彼女の長い黒髪の甘い匂いに気が付くと、同時に、いつの間にか彼女に抱きしめられている事に気が付いた。 「美代子よ」 「え?」 「私の名前」 彼女が耳元で囁く。 その時だった。 屋上のドアが開き、姫野が姿を現した。image=270749197.jpg
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