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随分とゆるい職場だ。
彼も頻繁に現れてはよく怒鳴り声をあげている。
「お前、学校は?」
「休みに決まってんじゃん。手伝いにきた」
「やめとけ。お前にゃ無理だよ」
「……それはオレが見えないから?」
──見えない?
何となく聞いていた会話だったが、その台詞を聞いた安藤は思わず少年の顔を凝視してしまった。
男と少年はそれから一言二言会話を交したが、少年の方が言いくるめられた形でその場に残された。
「みんなそうやってオレをここから遠ざけるんだ……」
少年の独白は苛立ちと悲痛に満ちていた。
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