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安藤は言葉を交したことのないこの少年に、親近感を覚えた。
彼のように見たいとは思わないが、見えないという共通点を持つという理由だけで十分だった。
話をしてみようかと腰を上げたところで、少年がこちらを向く。
しかし、何を言うわけでもなく密かに眉をしかめると、勢いよく障子を閉めきった。
ピシャリというよりは、ガタンといった……勢いで障子が外れそうな音を立てて、だ。
そしてそのまま来た時と同じように、盛大な足音を立てて走り去ってしまう。
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