2人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには女が一人いた。
美しい。素直にそう思える女だ。
日本人形のような清楚な面立ちに、切り揃えられた長い髪。
だが、面立ちはともかく、その顔まで人形のような無機質な表情で飾られている。
美人だが、些か近寄り難い雰囲気をまとっていた。
「では、参りましょう」
今日は初日だが、職場までわざわざ案内役がつけられた。
それがこの女……。
場所が変わったところにあるということであったが、美人であるが近寄り難い女・滝ヶ崎涼子の存在に安藤は気詰まりを感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!