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安藤が仕事兼寝室として案内されたのは、八畳ほどの和室としては特に珍しくもない部屋だ。
だからこそここが職場だという実感が伴わない。
それまで案内を務めた涼子が「それでは」と一度退室しようとしたが……ふと振り返り安藤を呼ぶ。
常時淡々とした様子であった涼子が、珍しく思案顔だ。
こんな顔もするのか、と安藤は涼子をまじまじと見つめてしまった。
しかし、意を決した様子の涼子の口から飛び出した言葉は、とても奇妙なものであった。
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