第一話 手紙

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「…行ってきます。」 誰も居ない家に向かって挨拶をする俺。 なんとも滑稽な姿だ。 家族と暮らさないのかって? 嫌だよ。ウチの家族はいつも現実ばかり突きつけてきやがる。 「そろそろ恋人を見つけなさい」 大真面目にオヤジが言う。 「そろそろアンタの子が見たいわ」 切実に子供好きの母が言う。 「兄貴、まだ結婚しねーのかよ。いや、出来ねぇのか~ごめんな」 嘲笑混じりにスイーツ(笑)な弟が言う。 因みに弟は結婚して既に子供が3人居る。 あいつはスイーツ(笑)だがスポーティーだからな。もてるんだよな。 とまぁ…家族と過ごすとロクな事がない。 「はぁ…早く会社行って帰ってエロゲーやってケーキ食って寝よう…」
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