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私の朝は決まってる。
金谷純子。
家は恵比寿。
一人暮らし。
わりといいお給料をいただいているおかげで悠々自適な独身生活。
歳は23歳。
彼氏…2ヵ月前に破局。
仕事は某海外有名ブランドを取り扱う日本本社で働いてる。
一応、就活はかなりの倍率だった。
私がいるのは秘書課。
と言っても、社長秘書じゃない。
うちの会社は各部署に秘書がつく。
秘書なんて、聞こえがいいけど、要は部署の雑用係なこともしばしば。
お客様とのお食事の手配、出張の航空券と宿の手配、海外本社とのやりとり。
ね、雑用。
私が担当してるのはアパレルブランドの営業。
まぁ、まだ2年目だし、しょうがない。
お給料もいいんだから文句言えないわよね。
それに、なんだかんだいいつつも、私はこの仕事が好きだ。
そうゆうわけで、朝ごはんにシリアル入りヨーグルトとアボカドを食べて、コーヒーを飲むと、私はカバンを掴み、家を出た。
私の読みでは、今日はそんなに忙しくないはず。
いくつかの打ち合わせに顔を出せばいいくらいだ。
うまく行けば5時に上がれる。
そしたら新しいスーツを見に行こう。
仕事柄、スーツの種類ばかりが増えていくのは否めない。
けれど最近のスーツは案外可愛いので、それも実は嫌じゃない。
なんかスーツを着こなしていると、デキル女な感じがして、気分がいいのだ。
本社は東京。
帰りのショッピングは銀座で決まりだな。
アフター5に思いを馳せながら、私は駅までの道をヒールを鳴らして歩いて行った。
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