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なら断る理由は無い。無いよな…?。
「ん。いいよ😔
じゃ居残り練習な。
でもあまり帰りが遅くなるわけにもいかないから、一時間だけな…」
「はい❗😌」
ん?喜んでる?そんな表情するんだ…へ~…😣
そして部活が終わり、二人だけが道場に残っていた…
アサコは真面目だった。真面目に型を修得しようとしていた。
畳3畳分はあろう大きな鏡の前に二人は立ち、俺の動きに倣い、彼女は型の手順を丁寧になぞり手足を運ぶ。
鏡越しに見るアサコの表情は真剣そのものだ。
練習中、俺が恐れていた…密かに期待していた…ようなことは一切アサコはクチにしなかった。
自分自身がひどく下賤な気がしてきた。アサコを侮辱したかのような気がしてきた。そんな自分が許せなかった。
だから彼女の真剣さに俺もまともに応えた。
彼女に空手部員女子を引っ張っていってもらいたい。俺の後継の一人として…
下世話な気持ちはもう無かった。
そしてその日から俺たち二人の居残り練習がしばらく続いた。
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