十代

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予備校では高校時代の同級生とつるむことが多くなっていた。 自宅に帰ってからは勉強づくしの日々。 休憩の時には高校卒業あたりの時期に買った中古のエレキギターを弾いていた。 つまらない毎日をギターが辛うじて救ってくれていた。 旋律を覚える度に、コード一つ綺麗に弾けるようになる度に、俺の中に新しい感覚が芽生えていく気がした。 それは心の動きの一つ一つが音に乗って表現されていくような感覚だった。 そんなある日、俺はカスミを呼び出し、喫茶店でお茶をしながらギターから得られる心地良い感覚について語っていた。 カスミ「へぇ~…あんたギター弾いてるんだ?聞いてなかったよ?😌」 俺「初心者のウチにペラペラ話すかっ!😔」 カ「(ふと考えこんで)…私さぁ、今学校でボーカルレッスン受けてるんだけど…、これってヤレって事じゃない?😌」 俺「ヤレって何を?」 カスミ「バンドだよ~!😌はは(笑)」 俺「アホかっ!ギターとボーカルだけでバンドが組めるかっ😔 大体俺はまだギター初心者だし、予備校生だぞ。勉強第一なの~!」 カ「そっかぁ…面白い企画だと思ったんだけどなぁ…😞」 まさかこの会話の一か月後にバンドが結成されるとは、この時夢にも思わなかった…
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