十代

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17歳。 俺が酒やタバコを覚えたのはこの頃。 ナオミへの想いを消化できず、ナオミの生活に近付きたい思いがあったのかもしれない。 そんな時飲み屋で中学時代の同級生に会った。あまり交流はなかったが目立つ不良女だった。 あっちから気付き、一緒に飲んだ。かなり飲んだのは覚えている。しかし途中から記憶は曖昧になり、気が付いたら、俺の初体験が終わっていた。 高校二年、俺は歳上とはいえ、そんなに変わらないアーティストに傾倒し始めた。 尾崎豊だった。 BOOWYや浜田省吾も良かったが彼は俺にとって代弁者のように感じられた。 でも影響を受け過ぎた俺は後にとんでもない事件を起こした。 俺の高校は自由な気風で知られたとこだった。 しかし校長や教頭がすげ代わり、一転校則の締め付けが極端に厳しくなったのである。 俺の友人は自慢の長髪パーマを裁断用のハサミで切られた。真冬の体育でクラスの女子はブルマにされた。そして逆らった友人が殴られた。 俺はだまっていられなかった。事前に原稿を準備し、放送部に根回しし、ある日の昼休み、放送ジャックを敢行した。 ここ数か月の行き過ぎた指導、体罰。学校は誰のものだ。教育の範囲とはなんだ。といったことを全校に流した。 当然、問題になった。 この件で糾弾された当人たちは俺の退学を提案してきた。 だが俺は事前に一部の教師を巻き込んでいた。 この手の話、左寄りの社会科教師とかは好むところである。 結果、職員の意見は二つに分かれ、最終判断は校長に委ねられた。 俺は校長に呼ばれ、二人きりの校長室で面談された。 俺は若さの意見で、校則のあり方と、高校生の自主性について話した。今思いかえせば、幼稚な理論だ。 たが校長はこの時の俺の話を一部だけ受け入れてくれた。 余談だけど、この二年後母校の校則はほとんどか無くなった。
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