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二月のある日の夜、何となく一人でドライブをしていた。
昼間は、店が建ち並んでいて活気のあるこの街も、今は静かに明日を待っている。街灯の薄暗い灯りが街を不気味な空気に染め上げていた。
周りを走る車も無く、世界に唯一人だけになった気分で車を走らせる。
明日は俺の結婚式。だというのに俺は
『俺は彼女に相応しい人間なのか?』
とか
『本当は俺と結婚なんてしたくないんじゃないか?』
なんて事ばかりを考えてしまう。
「はぁ……」
一人で勝手に悩んで一人で勝手に溜め息を吐く。
ふと視界の隅に赤い光がチカチカ点滅しているのが見えた。
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