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暫くしておかしな物を発見した。時刻は夜中の三時を回った頃。
この街には横幅は車二台がギリギリ入るくらいで、長さ八メートル程の短いトンネルがある。普段は壁になっているトンネルの側面に細い道があったのだ。
もしかしたら、車と車をぶつけないように必死になっていたせいで、この道に気付けなかっただけかもしれない。
俺は、少しの恐怖心と大きな好奇心に身を任せその道に入っていった。
トンネルの中にトンネル……と思いきや、目の前に広がったのは想像してたものとは全くの別世界であった。
道の中は、駅のホームを思わせる作りになっていた。上には電気が着いていて明るく、タイルの床にタイルの壁。丸い柱が何本かある。車で走るのはおそらく駄目な場所だろう。
「まあ入ってしまったので仕方ない」
周りに人がいなかったので、開き直った俺はそのまま中へ進んでいった。
暫くすると壁にポスターのような物が、三メートル置きくらいに貼ってあるのが見えて俺は車を減速させた。
どうせ地域の情報とか火事に注意とか痴漢が多発してます的な物だろうと思ったけど、ここは駅ではないしとりあえず見てみる事にした。
俺はそのポスターを見て急に動悸が激しくなった。
見てみると小学五年生の少女の可愛らしい笑顔の写真が大きく写っていた。そして写真の下部に書いてある文字がそうさせる原因のようだ。
『私立木尾谷小学校イジメの実態!』
と大きな文字で書かれていたのだ。
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