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「おるなぁ、そこら中に傷心の女子大生が」
片目を瞑り、嫌味っぽく僕は言った。
ナツオは、動じる事もなく言い訳する。
「チッチッチッ、わかってへんなぁマナブ。女子大生来るんは夕方やん。今何時? ワットタイムイズイットナウ」
「二時」
「やろ? まだ三時間はあるで」
「ナツオが…」
僕の言葉を途中で遮る。
「待った。堅い事言うなや。三時間、俺にバイクの乗り方教えたら一瞬やん」
僕は、一生ナツオといる限り、このペースで丸め込められるに違いない。
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