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「どないしょー、ごめーん、マナブちゃん」  文句の一つも言えやしない。  普段のツリ目を、全く逆のタレ目にして謝るのだから、腹の立ちようがない。  僕は、足元の小石を海に放り投げた。 「ええよ、せっかく来てんし、ゆっくりして行こうや」  水平線近くに浮かぶ、船のような物体に目を細めながら、ナツオは言った。 「そやな、久しぶりに男同士で、海眺めんのもええか」  都合のいい言い方だ。  尻の砂を払い、僕は立ち上がった。
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