24人が本棚に入れています
本棚に追加
「どないしょー、ごめーん、マナブちゃん」
文句の一つも言えやしない。
普段のツリ目を、全く逆のタレ目にして謝るのだから、腹の立ちようがない。
僕は、足元の小石を海に放り投げた。
「ええよ、せっかく来てんし、ゆっくりして行こうや」
水平線近くに浮かぶ、船のような物体に目を細めながら、ナツオは言った。
「そやな、久しぶりに男同士で、海眺めんのもええか」
都合のいい言い方だ。
尻の砂を払い、僕は立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!