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「もう、ええやん、忘れろや。もうすぐ一年やで」 「わかってる」  一言だけ言って、ナツオは、マフラーで顔を隠すと、僕を部屋から押し出した。  あの子の話をすると、ギャグも笑顔も無くし、出会った頃のナツオになってしまう。  けれど、これが本来のナツオなのかもしれない。    付き合った期間の長さで、そう感じるようになったのではなく、年齢の経過と共に、感じるようになった。
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