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プロローグ
心の中に
もう1人の自分がいた
だけど
自分にとっては必要のないものだった
真っ黒に汚れてしまった
真っ赤な血を好む自分にとって
それはいらない存在だった
だから
フタをした
永遠に出てこられないように
鍵という鍵をかけ
溶かした黒い鉄で塗り固めて
まるで何もないかのように
見えない奥底へとしまいこんだ
ふと、自嘲気味の笑みがもれる
「自分が一番、自分じゃないのかもしれないな」
その言葉に、もう1人の自分がひどく傷ついたのがわかった
鈍い痛みが、胸に走ったから
でもそれは
もうあまり気にならなかった
もう、うんざりだ・・・
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