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再会
それから再び数年後、30歳になった頃2人は東京にいた。
先陣をきって会社の発展を支えてきた貴司は若くして営業部長になっていた。
会社は東京に進出し競争率の激しい中でも着実に利益を上げ、業績を伸ばすことが出来た。
彼の仕送りで両親も不足無く暮らすことが出来た。
そして、すっかり幼少期の劣等感は影をひそめていた。
昼に麻布の料亭で商談を終えた貴司が夜向かったのは新宿のあの居酒屋だった。
そこには私服に着替えたばかりの拡護がいた。
『よぅ!』
聞き慣れた声が響く。
貴司『悪かったな、遅くなってしまって。』
拡護『かまわないさ。そろそろ行くか?』
貴司『あぁ。』
2人は都内のあるライブ会場に向かう。
貴司は拡護のライブに招待されていたのだ。
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