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セルフィナの疑問は、解放軍艦隊旗艦の艦橋にいた者たち全員の疑問だった。
「司令は歴戦の兵(つわもの)とお聞きしています。その司令が、何で内通者なんかに!」
それは怒りか悲しみか。
セルフィナの叫びは涙声だった。
「金が必要だった、と言って信じてもらえるかね」
「お金…? そのために、バリアス王国を裏切ったと言うんですか」
骨の髄まで騎士として育てられたセルフィナには、信じ難い理由だった。
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