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「一度内通者になったら、もう抜けられぬ。止めた、などと言えば、アルパーク王国が私をバリアス王国に売る。私は内通を続けるしかなかったのだ」
艦橋が静寂に包まれる。
誰も、何も言えなかった。
ただ一人を除いて。
「あんたには同情する。だが、母親が亡くなった時点で内通を止めるべきだったな。あんたのお陰で死ななくてもいい人間が、たくさん死んだ」
バルだった。
「私は、お前さんみたく、直接人は殺していない」
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