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「なるほど…。アルパーク王国に引き渡さて処刑させられるか、解放軍で処刑させられるかの、いずれかだな」
ガロンズの発言には抑揚がなかった。
まるで人ごとのように。
「それはお前の証言しだいだ。真実を証言すれば命は保証する」
「今さらだな…。今さら、命は惜しくはない」
ガロンズが懐に手を延ばす。
「よせ!」
俺は慌てて駆け出した。
だが、遅きに失した。
ガロンズは懐刀を取り出し、躊躇いもなく一気に胸に突き刺した。
「司令!」
迂闊だった。
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