幻影のむこうに何も見えず

七色と紅白

博麗神社は幻想郷の東の果ての、博麗大結界の境界線上に存在する。

境界線上ゆえに、外の物品がたまに流れ着くらしい。

その博麗神社のぐうたら巫女と名高い博麗霊夢は、珍しく掃き掃除をしていた。

木々が木の葉を散らす光景は見ていて心安らぐが、その地面を掃除する自分の身にもなってほしいと、霊夢は無茶苦茶な願いを木々に投げつける。

そろそろこんなものでいいか、どうせまた散らかるし、と掃除に見切りをつけてお茶にしようとしていると、一人の訪問者があった。