わがままな王子

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 拗ねたように唇を尖らせ顔を反らせたアルフレドの態度に、クヌートは側にあった木の幹を、握りしめていた拳の横で強く打ちつけた。 「甘ったれるのもいい加減にしろ!」  クヌートの怒号に、木々で休んでいた鳥達が一斉に驚いて羽ばたいた。  驚きのあまり言葉を失ったアルフレドの後で、カイが小さく鋭い声を立てる。 「シッ! 何かいる!」  カイの低く抑えられてはいるが鋭い声に、アルフレドもクヌートも動きを止めた。
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