プロローグ

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アイツはいつも笑っていた。 アイツはいつも俺のそばにいた。 いつからだろう……? アイツを……一人の女性として意識し始めたのは…? 自分の気持ちに気付けばもうアイツは俺の手の届かない場所にいた。 いや、手は届く。 手を伸ばさなかっただけだ。 会いたい……。 アイツに会いたい……。 だが会えない。 あの時をずっと後悔している。 もし……もしあの時何かしてやっていたらこのモヤモヤも少しは晴れるだろうか……? もし……「行くな」と言っていたらアイツはまだ俺のそばで笑っていただろうか……? だがもう遅い。 過去のこと……… アイツはいつも笑っていた。 この青い空の下で……… 太陽のように……輝きながら―――……
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