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「すぐに手当てを致しますので……って、貴女は!?」
その時、部屋の外から何かが羽ばたくような音がした。咲夜ははたと振り向き、突然の来訪者に向かって叫んだ。
「どうも、紅魔館の方で異変があると聞いて来ました、射命丸文です」
手帳とペンを持ち出し、取材体制を完了させた鴉天狗、文が言った。
彼女の足の速さは、幻想郷でも一、二を争う。相変わらずだなと咲夜は半ば呆れたように思った。
「只事では無さそうですが…詳しくお願い出来ますか?」
全く引く様子は無しに、文は取材を強行した。
「……いいわ、隠すような事でもないし……」
根負けという程では無いものの、レミリアは溜め息を吐きつつ答えた。その羽は、どこからともなく現れた妖精メイドにより包帯を巻かれていた。
「ありがとうございます。ではまず……」
『よう、大変な事になってるな』
部屋の外から、女性の声でありながら、男口調の声が響いてくる。またしても、突然の来訪者だった。
「あ、魔理沙!」
フランドールは、思わず嬉しそうに来訪者の名を呼んだ。それにつられるように、大きな帽子を被り、箒に跨がったいかにも魔女らしい格好をした少女『霧雨魔理沙』が現れた。
「お、フラン。何かあった……って、厄介事みたいだな」
魔理沙は箒から降りると、うっすらと血の匂いが漂う部屋を見て言った。
「貴女まで……という事は……」
『ちょっと魔理沙!抜け駆けは無しよ!』
咲夜が言うや否や、直ぐ様声が響き、三人目の来訪者が現れた。
その独特の巫女装束を纏った『博麗霊夢』は部屋の中に降り立ち、口を開いた。
「直感で何か起こってると気付いてね、ちょうど魔理沙も居たから一緒に来たんだけど……」
「それどころか、文まで居たぜ?一体何があったんだよ」
霊夢と魔理沙の二人は、如何にも興味津々といった様子で迫った。ここ、幻想郷において異変は度々起こるものであり、その度にこの二人(主に霊夢)は解決にあたってきた。故に、今回のこの異変について情報を得たいのも当然であった。
「分かったわ、一から話しますから……」
「ねえねえ、弾幕ごっこしようよ~」
咲夜が話し出そうとした所に、フランドールが割って入った。その矛先は無論、霊夢と魔理沙に向けられている。
「ああ、後でな」
「今はそれどころじゃないのよ、それに貴女と相手するのは疲……」
「あはは、『スターボウブレイク』!」
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