思春期

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今夜、このまま降り続けて雪は積もるのだろうか? すでに暗くなりかけた空とうっすらと白くなっている大地。 その時だった。 父が 「母さんを迎えにいくぞ。」 そう口にしたのは。 私は驚きを隠せなかった。 居場所や連絡先さえ私達は知らなかったはずなのに、いつの間にか父は母と連絡をとっていたのだ。 父は私と二人で母を迎えに行くことにした。 もしかしたら一人じゃ行きずらかったのかもしれない。 だけど、小学生の弟にはまだ荷が重すぎると思ったのか弟は一人家に残る事になった。 外へ出ると、息が真っ白で手の平に雪が落ちては溶けた。 今から母に会える。 それが私を喜ばせもし、少し不安にもした。 父は車へ乗るよう私を促した。
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