思春期

31/45
前へ
/175ページ
次へ
母は私に 「あなたのお陰ね。あなたは家事なども色々やってくれたみたいだし、本当にありがとう。」 そう言った。 私は微笑みで答えを返した。 まもなくして 祖母が家に帰って来た。全て元通りになったのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。 祖母は私に 「お母さん帰ってきて嬉しい?」 と、聞いた。 私は 「うん!!」 と、満面な笑みで答えた。 それは私の演技の満面の笑顔だった。 いなくなった母の事を祖母は許してはいなかったし、責めたかったに違いなかったから私は母の為に笑ったのだ。 母が不利になり責められない為に。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加