思春期

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彼はベッドに私を押しつけたまま私を見つめた。 私はとっさにキスされると思った。 顔をすぐに横にそむけた。 突然の事が起こり過ぎて私の頭の中はパニックだった。 彼はそんな私を見て戸惑っているようだった。 私はその隙に逃げ出し、兄たちのいる部屋へ走った。 さっきの出来事を兄たちに話す勇気などもちろんなく、何気ない素振りを一生懸命した。 彼も私の後を追って戻ってきた。 再びゲームをするハメになった。 必死で元通りを装ったけれど、私の心はまだパニックのままだった。 だって、私は恋はした事はあっても恋愛なんてした事なかった。 何より家族以外の異性に体を触れられたり、抱き締められた事なんてなかったから。 だから怖かったの。 突然に自分の意思とは関係なく未知の事が起こりすぎて。
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