赤い光

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5人1つに固まり、俺と光一がライトを1個ずつ持っている            俺は周りをライトで照らしたが、見えるのは、育って長くなった雑草と、奥まで続いてる林以外何も見当たらない           光一 「行くか。」           光一の言葉に静かに頷(ウナズ)いた…           2つのライトを、幽ペンの入り口手前まで照らし、俺達はそこへ向かって歩き始める…           途中、耳が慣れてきたのか、近くにある湖の波音が微(カス)かに聞こえてきた           そこが有名な湖でも、そこが他県の人で溢れる観光地だとしても、夜になれば恐怖になる…           と言うのは、その湖の方が危険だと話す人が、地元では多いからだ           俺達はペンションの中へ入る一歩手前で止まっていた…           俺は幽ペンを目の前にして(ここの方が危険だろ!!)と自分の中でツッコんだ           皆が顔を合わせ、この先誰が先頭に立って行くかを決める事になる           男とは欲求不満の生き物の為、女が近くに存在するだけで性格の変わる奴がいる…           男だけで一緒に居る時は、一番誰にでもヘコヘコしてる奴がいきなり「俺が行く!!!」と、声を張り上げて中へと入って行ってしまったのだ           和正だった………           あっけにとられた俺達は、とりあえず和正に行かせたかった事を以心伝心で感じ、少し笑いが出た           ガチガチだった皆の心も、少しだけ緩(ユル)やかになり、最初に感じたヤバイ感覚が気のせいに思えてきたんだ           暗闇にも目が慣れて、僅(ワズ)かな月の光でも、十分に周りが見えてきた…
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