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「うわぁー」
赤い光線は、確実に法明の体に命中した。
「立て!お前の力はまだこれだけはないだろう」
邪鬼丸は、倒れこんだ法明を蹴り上げると首を鷲掴みにし、地面に叩きつけた。
「や、やめろ」
小太郎が、邪鬼丸に飛び掛かるが、強靭な腕を振り乱し、薙ぎ倒した。
「小太郎!」
お伊佐が、慌てて小太郎に近付くと、小太郎が手にしていた、〈退魔の守り札〉を邪鬼丸に向けて翳した。
「ぎゃー」
不思議なことに、邪鬼丸が苦しみ出したのである。
「や、やめろ」
邪鬼丸は、あまりの苦しみに耐えられず、姿を消していった。
「ふー。やはり、これが退魔の力だったのか」
お伊佐は、守り札を気を失った法明に返すと、小太郎を負ぶって、焼け崩れる我が家をじっとながめるのであった。
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