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藍花は彼に、謝ってほしいわけではなかった。
これじゃまるで、使用人だわ。
あなたは私の、召し使いじゃないのよー?
そう思って誠一を見たが、当の本人はてんで気にしていない様子で隣を歩いている。
なんて、憎らしいんだろう…。
先刻のことを日常茶飯事のこととしてあっさり片付けてしまう少年に、藍花はますます不機嫌になった。
結局その後、寄り道をしたふたりは稽古の時間に大幅に遅れることとなる。
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