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「理佳さん、あがるぞ」
俺は声をかけ、ずかずかと奥へ進む。
リビングの扉を開けると、そこには紅茶とアルコールの香りが漂っていた。テーブルにはティーカップと琥珀色の酒を満たしたグラスが用意されていた。
そして、ソファーには年の頃二十代後半(教えてくれないので正確には判らない)の美女が座っていた。美女は目を輝かせて俺を見ている。
「また俺を肴に・・・いや、俺の介抱を期待して呑むつもりか?」
「京一がちょくちょく来てくれればいいのよ。たまにしか来てくれないから、話したいことが蓄まってしまうの。だから、話すにも時間がかかるし、その分余計にお酒を飲むことになるわ。介抱が嫌なら頻繁に顔をだしなさいよ」
「別に、わざわざ話と酒を対にすることはない」
「京一も大人になればわかるわ。会話にお酒は必要よ。さっ、座って」
俺は向かいのソファーに座る。
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