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理佳は早速グラスに一口つけると「条件は?」と聞いてきた。
「条件?」
「次に踏む人を紹介して欲しいんでしょ?」
「よくわかったな」
「あの老人が亡くなったことは聞いているわ。それに、そんな用事でもないと京一は私のところへ来ないもの。さっ、どんな人の裾を踏みたいの?」
「そうだな・・・袖掴神(ソデツカミ)や襟掴神(エリツカミ)そういった普通の神隠しがいい」
俺がそう言うと、理佳は腹を抱えて笑いだした。身体を折り曲げ、苦しそうに笑っている。
「・・・もう、酔ったのか?」
「ち、ちが、あははははは!」
俺は何となく不快になり、ムッと黙り込む。
「ご、ごめんね」
俺の様子を見て、理佳は笑いに溜まった涙を拭く。
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