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「まあ、いいわい。さて、次は腰をもめ」
「ふざけるな。じじいのケツなんか触れるか」
「高い金を払っておるのだぞ。一晩踏むに数百万とは何事じゃ。腰ぐらいもんでも罰はあたらん」
「だから、金は呪術に対する報酬だ。マッサージ代金じゃねえ。それに、他の裾踏姫に比べりゃ安い方だ」
「ケチな男じゃのう」
「黙れ、じじい」
俺は肩から手を離し、時計を見る
朝まで後三時間。まだ三時間も老人の話に付き合わなければならないのだ。
(まったく・・・破格の安さだ)
俺は老人の背に向け、深く溜め息をついた。
そして、老人の訃報を聞いたのは、その三日後であった。
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