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【テルコの視点】
机に書かれていたのは、私を中傷する言葉。
私はその文字に手を叩きつけ、立ち上がった。
ついに始まった。
いつ始まってもおかしくはなかった。
いじめ
前の学校から逃げ出して1ヶ月、きっかけをつくらないようにしていたが、やはり始まった。
する側、される側、その両方を経験した私には分かる。このイジメは急速にエスカレートしていくはずだ。
対応策は強く出ること、それしかない。
「誰が書いたの!」
私は瞳に力を込め、教室の一人一人を睨んでゆく。
誰もが私から目をそらす。
その中で、七人目に睨んだ生徒が私を睨み返した。
中肉中背、サラサラな髪、美男子の部類に入る男だ。名前は確か、市原京一。
(犯人?)
いや、違う。
彼の目は疑われることを不快に思っている目だ。
次の生徒へ目を移せばよいのだが、私はその男に視線を止める。
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