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そして結婚式の前夜、彼女は逃げ出すことを決め、目をつけたのはわずか齢8歳の剣奴。
名はロムルス。
コロッセウムに行ったその日、気に入って買い受けたのだった。
忠誠を誓うロムルスを連れ、彼女は逃走を図った。
この事態に皇帝の息子は怒り狂い、騎士を派遣してそれを追わせる。
2年間逃避行を続けるヴィルオーネは、襲われ、幾度の危機にひんしながらも、ロムルスのおかげで順調に逃げることができた。
その間、ロムルスの中に人間性が芽生え始め、「あなたを愛しています」などと言い出したが、彼はその単語しか知らないので、ヴィルオーネはあしらっていた。
だがある時、ローマ騎士団の追撃をうけてしまい、ヴィルオーネは再びローマへ連れ戻され、ロムルスは瀕死の傷を追った。
その時、二人の間にあった愛にようやく気付き、ヴィルオーネは絶望した。
そのあと、側室として宮廷入りしたヴィルオーネは子を身籠ったが、その皇帝の息子が皇帝に即位した時、その悪政から国中に不穏な空気が蔓延していた。
彼女自信も皇帝の扱いに耐えかね、ついにはふしどで暗殺するに至った。
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