三階女子トイレ

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医者の話声が聞こえる… 医者A(なぁ、あの患者助かったんじゃないのか?) 医者B(全身火傷の患者か。どうだろうな。でもあの時点で体液も大分失われてたし、植皮しても助かったかは微妙だろう。それならいっそ楽にしてあげたほうがよかったんだよ。) 医者はまだ助かる見込みがあったにも関わらず…治療を中断したのだった。 怜香『そんな…ひどい…助かったかも知れないのに…!』 さらにもうひとつ、怜香を追い詰めたものがある。 顔の形成手術が失敗だったのだ。 元に戻ると言われた顔もやけただれたように痕が残っていた。 ミスユニバースに選ばれたほどだからそれなりに自信があった。 彼氏を失い、さらには顔まで失ったのだ。 彼女には絶望と憎しみしか残っていなかった。
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